ミツデザイン設計事務所

■施行例 Y邸 M邸 K社 H邸 N邸 T邸 A邸 M邸


T邸

八角形の居間のある家

 富山県礪波市は散居村で有名な地域で家々にはカイニョウ(屋敷林)があり、家の形態は吾妻建ちの様式が多く、東向きの切妻妻入りの大屋根が見られることでも有名な地域でもある。

 この建物も国道(156号線)の近くではあるが、上記の地域に位置しているので、吾妻建ちの様式を取り入れたものとなっている。

 また、この地域の慣習により、庄川水系により敷地に上、下の関係が生じ、建築の位置、蔵、母屋、納屋などの位置関係や、座敷などの室の位置関係も生じ、品位のあるものを上としている。

 この家では家族の団欒を優先することにより、上の位置に居間、下の位置に座敷となっているが、居間の形を仏教用語の八正道から八角形を採用することにより品位を上げ配慮した、それに八角形は中国では幸せを呼ぶ形として認識されており、易などの形にもみられる形でもある、床の板の張り方は朝鮮張りもどきにして放射状に張り、大陸からの文化(宗教、建築、etc)が伝来した経路を表現している。

 建築前面ポーチの両側に取り付けた格子は、この地域のカイニョウの要素でもある冷えた風を取り入れ、家側からはより見え、外からは見えにくいという要素を格子に求めてみた。

 この建築は間口が長いので、格子窓、格子、外部板張りの目地など縦の線は縦の意識を喚起して建物の間口との調和を計っている。

 この家の内部のハメ殺し窓には回りの山並が借景できるように配慮して、玄関からは医王山がおさまり、八角形の居間の2階の窓からは牛岳、八乙女山、医王山の山並みが見られる。


■施行例 Y邸 M邸 K社 H邸 N邸 T邸 A邸 M邸


ミツデザイン設計事務所
〒939−1119 富山県高岡市オフィスパーク5番地 富山県産業高度化センター 3F